2016年5月18日水曜日

新人研修(画像から見る運動障害~内側運動制御系~)

前回に引き続き、新人研修で行ったものについてまとめていきたいと思う。

今回は、内側運動制御系についてまとめていく。

●網様体脊髄路●
 内側運動制御系は、網様体脊髄路や前庭脊髄路、視蓋脊髄路など起始核が脳幹に存在する脳幹-脊髄下降路と、大脳皮質に起始する前皮質脊髄路がある。今回は、網様体脊髄路についてまとめていく。網様体脊髄路は、皮質や基底核、視床、小脳などさまざまな場所から入力を受けている(下記図は脳の地図より引用)。


 網様体脊髄路のうち、予測的な姿勢コントロールに関わるものは、6野(補足運動野と運動前野)から出る、皮質網様体路を介して駆動される。皮質-網様体-脊髄路は、皮質橋網様体脊髄路(内側網様体脊髄路)と皮質延髄網様体脊髄路(外側網様体脊髄路)に分けられる。皮質橋網様体脊髄路は、主に姿勢筋緊張の促通を、皮質延髄網様体脊髄路は、主に姿勢筋緊張の抑制を行っていると言われている。


 また、皮質橋網様体脊髄は、主に同側の体幹・骨盤・四肢近位部の姿勢筋緊張のコントロールを行い、運動開始前におこる姿勢コントロールに関与しているとされている。皮質延髄網様体脊髄は、主に反対側の四肢近位部(~遠位部)の姿勢筋緊張のコントロールを行い、運動に随伴して起こる姿勢コントロールに関与しているとされている。詳しくはこちら

●皮質網様体路●
 網様体脊髄路を駆動する皮質網様体路の経路を下記に示す(脳の地図帳より引用)。皮質網様体路は主に6野から起こり、内包の膝を通り、大脳脚を下降する。


●脳画像●
 MRI画像上の皮質-網様体-脊髄路を下記に示す。図に示した領域に病変があると姿勢筋緊張のコントロール(特に予測的な姿勢コントロール)の障害が出現する。


以上、脳画像から見る皮質網様体脊髄路の障害についてのまとめを行った。



本日はここまで。

続きはまた次回。。。

書籍の紹介
脳卒中片麻痺患者に対する理学療法

1 件のコメント:

  1. すごく分かりやすかったです、ありがとうございました。

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